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コンピュータ Archive

廃棄パソコンの行方(その16)

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私はこの廃棄パソコン問題の実態を知って,実は廃棄パソコン問題は地球温暖化よりも深刻な環境問題なのではないか,という認識を持つようになりました。

ですから,この一連の記事を読んだ皆さんが電気機器を大切に使い,不必要な買い替えを止め,多少コストや時間がかかっても修理して使い続ける人へと変わってくださればと願ってやみません。

そこまで行かなくても,有料で引き取って海外に売り飛ばすような業者に渡すのではなく,オークションに出して生かす方法を知っている人に託したり,HARD OFFなどに売りに行く人へと変化してくだされば,私にとってそれ以上嬉しいことはありません。

廃棄パソコンの行方(その15)

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ダビデは年間7万トンの処理能力があるが,処理施設が増えたとしても,国内の廃棄物の多くは海外に流出してしまう。自国で安全に処理するより,よその国に運んだほうがもうかるのだ。

「不正な方法で処理をする連中とは,商売では太刀打ちできません」とジョー・ヨブは嘆く。ダビデへの投資は,ある意味では賭けだ。

最低基準を満たすリサイクル業者が認定される制度ができれば,もうけが出る。

輸出頼みの業者は,そうした基準を達成できないはずだ。米環境保護局もその方向で可能性を探っている。

使用済み電気製品の海外処分を続けていれば,先進諸国もそのうちしっぺ返しを食らうことになる。

2006年,米国の化学者ジェフリー・ワイデンハーマーは地元の1ドルショップで,中国製のアクセサリーを購入した。

学生たちの分析試料にしようと考えたのだ。分析してみると,アクセサリーには高濃度の鉛が含まれていた。

これは特殊な例ではない。米国には,同様の中国製アクセサリーが広く出回っている。鉛合金に使われている銅や錫の量も多かった。

ワイデンハーマーらはこうした金属の組成を詳しく調べて,その由来を2007年7月に発表した。何とそれは,プリント基板のはんだ付けに使われている鉛だったのだ。

ワイデンハーマーは指摘する。「米国は鉛が使われた廃品を大量に中国に送りこんでいます。いまや中国は世界の工場ですから,材料がめぐりめぐって汚染された製品となり,再び米国に流れこんでくるのも不思議ではありません」

グローバル経済のなかでは,じゃまなゴミを厄介払いできたと思っても,忘れたころに自分のところに戻ってくるということだ。……………………………………………………
これで引用は終わりです。お読みになってどのような感想を持たれましたか?
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パキスタン最大の都市カラチで、パソコンのマウスから金属を取りだしているのは、11歳のサルマン・アジズ。世界中で廃棄される電気製品が増えているいま、環境にやさしく、人道にも配慮した形で有用な素材をリサイクルする取り組みが求められている。

廃棄パソコンの行方(その14)

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●鉛は世界をめぐる

その会社のビジネスモデルの中心は,ビル一つ分はありそうな巨大装置だ。工場の片隅で轟音を立てるその装置は,組み立てラインを逆回しにしていると言えなくもない。

社長のジョン・ヨブは,2006年に300万ドル(約3億3000万円)を投じて導入したこの機械を「ダビデ」と呼ぶ。そして,うず高く積まれた米国産ハイテク機器の廃棄物の山が「ゴリアテ」。

羊飼いの少年ダビデが,巨人ゴリアテを倒したという,旧約聖書の物語になぞらえた命名だ。私が訪ねた日,ダビデの鋭い歯はオーディオ機器やビデオ機器を次々にかみくだいていた。

作業中に出る粉塵はエアーポンプとフィルターが処理するので,「排気は建物内の空気よりきれいなくらいですよ」と副社長のジョー・ヨブ(ジョンの弟)は自慢する。

破片はベルトコンベヤーで運ばれ,振動するふるいや磁石で素材別に分けられていく。鉛の使われたガラスだけを取りだす装置もある。

銅やアルミニウムといった非鉄金属,金や銀,パラジウムなどの希少金属は,渦電流選別機で,磁石の反発力を利用してより分ける。

スクラップのなかでいちばん価値があるのはプリント基板の破片で,50センチ四方の箱一杯で1万ドル(約110万円)にもなる。これはベルギーにある希少金属専門のリサイクル業者に送る。

リサイクルの体制が整っている欧州では,プラント全体が丸ごと廃棄物処理装置ということも珍しくないが,米国ではまだまだ少数だ。
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米国フロリダ州タンパにあるリサイクル施設に積み上げられたハイテク廃棄物は、このあと最先端技術を駆使したリサイクル用の機械(写真奥)に投入される。この機械は廃棄物を粉砕し、鋼鉄、ガラス、アルミニウム、銅、金を含むプリント基板に至るまで素材を分類して、リサイクルできるようにする。

廃棄パソコンの行方(その13)

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出どころがどこであれ,まだ使えるパソコンなら利幅も大きい。

ただし,動くという保証はまったくない。売るほうは,ガラクタ同然の品物を大量に処分したがるし,誰も使わなくなったブラウン管ディスプレイまで押しつけてくる。

バアのほうも,月に一度ガーナに荷を送るとき,動作をいちいち確かめる時間がない。

「結局のところ,半分は使えないんだ」とバアはいまいましげに言う。「そういうガラクタはスクラップ業者に売るしかない。その先どうなるかは,俺にもわからないよ」

バアのささやかな輸出ビジネスは,先進国から開発途上国に流れこむゴミの大河の一滴に過ぎない。いずれアクラや台州は,汚染という大洪水に見舞われるだろう。

それを防ぐには,もっと責任ある形で,大河の流れを別の方向へと転じなくてはならない。米国フロリダ州の企業が,すでにその試みを始めている。
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オーストリア北東部アムシュテッテンにあるミューラー=グッテンブルン・グループのリサイクル施設で、砕かれた電子機器を作業員が選別している。特に価値が高いのはプリント基板だ。欧州では、電子機器を廃棄するときメーカーがリサイクル費用を負担することになっている。

廃棄パソコンの行方(その12)

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この店の経営者に,ディスプレイをどこから仕入れたのかと尋ねた。すると,米国バージニア州にいる兄が送ってくるのだと言って,バアという名の兄の電話番号を教えてくれた。

バアとはなかなか連絡がとれなかった。やっと向こうから電話が来たので話をしてみると,意外にも,マスコミを避けたがる後ろ暗い人物という印象ではなかった。

彼は団地の保守管理要員で,トイレ修理や電球交換で1日15時間も働きづめなのだという。だがそれだけでは食べていけないので,ガーナにいる弟を頼って古いパソコンを輸出している。

ペンティアム3を搭載したパソコンなら,インターネットで10ドル(約1100円)以下で買えるが,これをアクラに持っていくと150ドル(約1万6500円)の値がつく。

グッドウィルのような慈善目的の激安ショップでまとめ買いをすることもある(もっともグッドウィルの責任者たちは,パソコンを大量に業者に売っていることは否定した)。
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米国テキサス州オースティン在住のアーティスト、ジョージ・サブラによるハイテク廃棄物の彫刻。胴体部分は流木を利用し、頭部からは中古パソコンの様々な部品が突き出ている。ハイテク廃棄物の影に潜む危険性を警告する作品だ。

廃棄パソコンの行方(その11)

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アクラの道ばたには,中古の電気製品の露店が所狭しと並んでいる。ダルクマンと呼ばれる郊外地区では,薄暗い店内にブラウン管ディスプレイがぎっしり積まれていた。

これらは豊かな国々の遺物だが,鉛などの有害物質が多量に含まれているため,処分が難しい。なかには白黒だったり,画面が小さかったりする年代物もある。

もちろんそんなものは,この国でも誰も欲しがらない。廃品市場で少年たちに砕かれて,スクラップになるだけだ。

ディスプレイの一つを見ると,貧困者を救済するための中古品販売チェーン「グッドウィル」の値札が貼ってあった。

米国メリーランド州フレデリックに本部があるというから,わが家から車で45分のところだ。

古いパソコンを慈善団体に寄付する人々は,正しいことをしていると信じて疑わない。当然だろう。私だって同じことをしていたかもしれない。
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中国・浙江省台州で、収穫したサツマイモを市場に出荷する準備をしている男性。その横には、金属を取りだすために焼かれたプリント基板がうず高く積まれていた。この地域は長らく電気電子廃棄物の処分場だったが、当局の取り締まりによって違法な取引は影を潜めた。

廃棄パソコンの行方(その10)

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●廃棄物の輸出元を探る

中国を経由して,アジアのほかの地域や,ガーナ,ナイジェリア,コートジボワールといった西アフリカ諸国に運ばれる廃棄物となると,その量を確かめることはまず不可能だ。

有害廃棄物は世界中にまきちらされ,汚染のタペストリーを織りあげている。その糸の1本を抜きだして,廃棄物の足跡をたどってみることにした。

ガーナの首都アクラで,地元の環境ジャーナリスト,マイク・アナネに連れられて港に行った。だが警備員に制止されて,正門から入ることはできなかった。

近くのガソリンスタンドでトラック運転手に聞くと,通りのちょっと先にある施設を教えてくれた。そこではよくパソコンが荷揚げされているらしい。

行ってみると,ちょうどドイツからのコンテナが開けられたところだった。雨に濡れたアスファルトに,靴,衣類,ハンドバッグがあふれ出ている。

ペンティアム2や3といった古いCPUのパソコンとディスプレイもあった。ケースはひび割れ,スイッチ類はとれている。

私たちが近くの作業員にあれこれ質問するのを,一人の男が聞きつけた。「おまえたち,パソコンが欲しいのか?コンテナ何個分くらい必要かい?」

港からほど近い,車の修理工場のような建物ものぞいてみた。入り口には,「英国製中古品輸入会社」の看板が出ている。

そこには,さらに年代物のパソコンやテレビ,オーディオ類が山と積まれていた。責任者によると,こうした機器は,毎週,長さ12メートルのコンテナ1台分入ってくるという。

まだ使える品物はそのまま売りに出され,壊れているものはスクラップ業者に二束三文で引きわたされる。
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中国・淅江省台州の自宅の裏でアルミニウムを精製する男性。この地域は長らく電気電子廃棄物の処分場だったが、当局の取り締まりによって違法な取引は影を潜めた。

廃棄パソコンの行方(その9)

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しかし,取り締まりに乗りだすのが遅すぎたかもしれない。有害廃棄物による病気や障害は,すでに表面化している。

2007年,中国の科学者たちが次々と発表した研究では,BANのビデオに登場した貴嶼の環境が悲惨な状態にあることが明らかになった。

廃棄物の処理をまだ続けている地区は,大気中のダイオキシン濃度が世界で最も高い。土壌を汚染している化学物質のなかには発がん性が疑われるものもあり,内分泌や免疫機能を阻害する懸念もある。

作業員の血液からは,PBDE類と呼ばれる難燃剤が高濃度で検出された。ごく微量でも,胎児の発達を妨げるおそれがある物質だ。

中国はいずれ,電気電子廃棄物の輸入を阻止できるかもしれない。だが,廃棄物は水のように流れていく。

数年前なら広東省や浙江省の港に運ばれていた廃棄物は,タイやパキスタンなど,規制がゆるい国々に,行き先を変えるだけだろう。

「中国やインドといった一部の国だけが規制を強化しても,世界全体の問題解決にはつながりません」と語るデビッド・N・ペロー教授は,社会正義の観点から電気電子廃棄物の問題に取り組んでいる。「廃棄物は,規制のゆるいところへと流れていきますから」。
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インド・ニューデリー郊外の貧しい地域では、電気電子廃棄物の処理を家族ぐるみでやっている。男性が鍋から注いでいるのは、プリント基板から取りだしてとかした鉛だ。驚いたことに、食事もこの鍋でつくるのだという――いつ死人が出てもおかしくない。

廃棄パソコンの行方(その8)

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しかし2002年,有害廃棄物問題に取り組む国際環境団体バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)が,中国での廃棄物リサイクルの実態を暴くドキュメンタリービデオを公開したことで,「責任ある行動」の幻想は崩れた。

ビデオの舞台になっている広東省の貴嶼は香港に近く,使用済み電気製品の一大処分場となっていた。

人々は,パソコンのケーブルを燃やして銅線を取りだす,プリント基板をとかして鉛などの金属を分離する,基板を強い酸性液に浸して金を抽出するといった危険な作業に,子どもから老人まで家族総出で従事していた。

中国政府は2000年に電気電子廃棄物の輸入を禁止したが,それでも流入は止まらない。

ただBANの告発ビデオによって“リサイクル”の実態が世界に広く知られたため,中国政府は禁止品目を増やしたり,地方政府に法令順守を促すなどの努力を始めている。

上海の南,浙江省台州もまた電気製品の大処分場だった。数年前まで,台州郊外では電子機器の分解がさかんに行われていた。

貴嶼に並ぶ規模で,もちろん闇の商売である。しかし最近では,金属スクラップが大量に集まる近くの港,浙江省寧波や江蘇省海門の税関が,違法な有害廃棄物の出入りに目を光らせるようになった。

訪れた小さな村々ではいまも,法の網をかいくぐった廃棄物処理が細々と行われているが,その規模は先細りのようだった。

廃棄パソコンの行方(その7)

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●電気製品の“墓場”

世界のハイテク機器の製造地と言えばアジアだが,寿命が尽きたハイテク機器の多くは再びアジアに舞いもどってくる。

特に中国は,以前から世界の電気製品の“墓場”になってきた。製造業の飛躍的な成長に後押しされて,中国各地の港は,鉄,アルミニウム,プラスチック,紙といったリサイクル可能な廃棄物の集散地となった。

1980年代半ばからは,電気製品のゴミが大量に流れこむようになった。プリント基板の希少金属を取りだすと,けっこうなもうけになるからだ。

米国テキサス州にあるリサイクル会社の所有者バンデル・ノーウッドによると,ある時期から,海外のブローカーが中国に送る使用済み電気製品を物色しにくるようになったという。

いまではこのやり方に疑問をもつノーウッドだが,当時はほかのリサイクル業者と同じく,双方の利益になる“おいしい商売”だと思っていた。

「集めた廃品はすべてリサイクルされると聞きました。環境面で責任ある行動だし,こちらは在庫を処分できるうえにお金も入ってきますから」。

こうして不要になった電気製品が大量に輸出され,利益を生むようになった。

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